フロイト 発達 段階。 潜在期(せんざいき)とは

ピアジェとフロイトの発達理論 : 心理学用語集

フロイト 発達 段階

心理性的発達理論(しんりせいてきはったつりろん, Psychosexual development)とは、のによる、のについての理論。 フロイトの「性理論三篇」(1905年)にて発表された。 子どもには(infantile sexuality)に基づいて、、、(エディプス期)、、という5つの成長段階があり、その期間には身体成長と性的発達が複雑に絡み合って進展するとする。 ではなじみが薄い理論だが、、特にでは「の思考発達段階説」と並び、を支える2本の柱の一つとして重要視されている。 ちなみにではこの心理性的発達理論を社会的発達理論まで拡張した()という考えがある。 この考えがフロイトの性理論に基づいている事にはあまり認識されていないが、それでもこの理論自体は広く受け入れられているようである。 背景 [ ] フロイトは精神分析学で確認された根本的なエネルギーとしての性的欲動が、小児期を通して上手く発展したり、分化したりする事の重要性を説いた。 この場合の性欲は、成人の狭い意味の性欲とは異なり、広義の性欲を意味する。 あるいは、あらゆる身体器官から発せられるのようなものを想定している(部分欲動)。 フロイトは、これら性行動をともなわない性欲を充足させられるか否かがその後の人格形成に大きく寄与すると考えた。 また、これらの性欲がある期間に固着する事により、やが発症すると仮定した。 また、年少期からをする女性は、しない女性に比べノイローゼやヒステリーの発症率が低いことを突き止めた。 性的抑圧が強い女性にそれらが後に多く現れると主張した。 また、異常とまではいかなくても、成人後の性格がどの時期の満足をいちばん求めているかによって、人の性格分類ができるとした。 (infantile sexuality)• 人間の性本能はに初めて発現するのではなく、生後間もなくから存在し、さまざまな活動の中にその満足を求めており、これをリビドーと名付け、人間の生命の原動力である()。 リビドーの対象の身体部位は発達とともに変わっていく()。 これらの各々の時期に十分なリビドーの満足が得られないと、偏った人格や、神経症などの異常が発生しやすくなる。 例として以下のようなものを上げている。 口に関連した異常であるアルコールや薬物のなどは、口唇期の障害に起因する。 は肛門期の障害が原因。 このの発表当時は大きな反対にあった。 当時のの人たちにとって、ショック以外のなにものでもなかった。 その後の、、の発展と多くの臨床観察からこれらはかなりの部分受け入れられるようになった。 また、この学説は弟子らによって受け継がれ、改善され、発展した。 特にエリク・H・エリクソンの功績が大きい。 リビドー論 [ ] フロイトは人格形成をすべて広義の性欲()に求め説明した。 この考えは後にと呼ばれるようになるが、これはあらゆる人間の行動や活動を()に求める事に対する非難的な言葉として使用されるようになる。 そのため一般の人々からも的見地からも多くの批判を受けた。 この汎性欲論は未だに現在の精神分析学においても根強く存在している。 それは精神分析がリビドーや性欲動などの性的な欲動に強く注目し、それを精神病理の原因とするためである。 ただし現在ではこの幼児性欲はフロイトの一理論として限定されているようである。 それでも後のなどでは今でも強く性欲動が注目されているため、この批判は常々される。 フロイトの心理性的発達段階 [ ] フロイトの精神性的発達段階(心理性的発達理論, Freudian psychosexual development) 段階 年齢 リビドーのエネルギー 性格特性 満1歳ころまで 母乳を吸うことと関連し、リビドーの満足は主に口唇周辺に求められる。 依存的、常に人に頼り自主性がなく社交的、寂しがり屋でを怖れる。 このタイプは往々にして本来の口唇的欲求も強く、食いしん坊、甘いもの好き、食道楽、嗜癖に陥りやすいなどの傾向がある。 2,3歳 排泄のしつけと関連し、肛門の感覚を楽しむ。 具体的には排泄後の快感である。 几帳面、、、自分の世界を他人に乱されるのを極端に嫌う。 反面、でだらしない。 5,6歳まで 関心が男根に集中する時期 攻撃的、積極的、自己主張が強く人前に出ることを怖れない。 を取りたがる。 あるいは人を傷つけないことを怖れない。 学童期 幼児性欲は一時影をひそめ、子供の関心は知的方面に移行し、比較的感情が安定する時期。 思春期以降 初めて性器を中心とした性欲の満足が求められる時期 具体的な言及はないが、成熟したを持ち、人を愛しできる、いわば理想的人格。 対象関係論と発達段階 [ ] 性的発達段階を元に、の分離個体化理論(separation-individuation theory)、が提唱されている。 発達段階理論 口唇期 自閉、共生 原始的 信頼 - 不信 肛門期 文化期、練習期 要求を満たすこと 自発性 - 自己不信 男根期 対象恒常性、 対象恒常性 自発性 - 罪意識 潜在期 勤勉 - 青年期 性的性欲、二度目の個人形成 対象愛 - 同一性の混乱 性器期 成熟した性器性欲 親密さ - 孤独 脚注 [ ]• Kaplan; V. Sadock 『カプラン臨床精神医学テキスト DSM-5診断基準の臨床への展開』(3版) メディカルサイエンスインターナショナル、2016年5月31日、Chapt. 『』(Die Traumdeutung)1899年(出版1900年)• 『性格と肛門愛』(Charakter und Analerotik),1908年•

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固着

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彼はある日、長居する友人と談笑していた。 食事はとっくにすんで、ただただ話をしているだけである。 彼はその時、咄嗟に間違えてリビングの電気を消してしまった。 そしてその時初めて、彼は友人に帰宅してほしいのだと思っていることに気が付いた…そこから、人間には意識できていない 無意識という層があるのではないかという考えに至ったという。 そんな聡明な研究者である S,フロイトは、精神分析学の中で欲望、つまり リビドーの最初の発達は口から感じる快楽であり、幼児期、それも生まれたばかりの赤ん坊は生存のためからも本能的に乳を吸う。 口から得られた満足感は快楽にかわり、それはやがて信頼や肯定的で楽観的な性格形成に発達すると考えた。 心理性発達理論・・・口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期 S,フロイトは幼児の性欲に関して、その性が「 口、肛門、男根、潜伏ののち、性器」に進んでいくと考えた。 日本では敬遠されそうな内容なのでなじみが薄いが、欧米やアメリカではの発達理論と並んで重要視されているような理論である。 フロイトによれば生まれた時は口から乳を含み栄養をもらうことで満足感を得る。 母親の優しい腕に包まれながら腹を満たす好意は至高の幸福である。 ミルクにおいても、硬いスプーンやストローではなく、やわらかい乳首によってほどよい暖かさの液体をあげる。 これは、もちろん子どもの飲みやすさも考えたものであるが、どちらにせよ赤ん坊にとって授乳タイムは最高に至福の時である。 そしてこの口唇期は2歳まで続くと考えられている。 口唇期固着 フロイトはさらに、それぞれの発達段階において満足に欲求が満たせなかった場合、その後の発達において重大な問題が起こると考えている。 性欲というと多くの大人が口を一文字に結んで「 シーッ」と言ってしまうだろう。 性に関する知識や経験は人間の繁殖、人間にとって無くてはならない重要な行為であるにも関わらず、愛や性に関することを日本ではあまり大っぴらに表現しない。 ましてそれが子どもであれば、多くの大人がわざわざ触れさせようとはしないだろう。 口唇期では唇により快楽を得る。 赤ん坊は母親のミルクを求めて泣くし、色々な物を口にいれて確かめようとする。 その欲求が十分に満たされずに育つと、その段階の欲求に異様にこだわるようになる。 これは 口唇期固着(こうしんきこちゃく)と呼ばれる。 注意すべきは、満たされなくても固着するが、十分以上に満たされても同様に固着が起こってしまう。 本人がもう満足だと思っているのに必要以上に与えることも、本人にとって不快もしくは不信に陥る原因になる。 口唇期固着が起きた結果大人になると… あくまで一説であるが、乳離れが早すぎたり、口に物をいれることを過度に怒られたりすると、悲劇的であり不信に陥りがちな攻撃的な人格が形成される可能性がある。 あるいはもう十分に満足しているのに必要以上に授乳や詰め込むような食事のさせ方は、大人になりタバコやアルコール摂取の増加、爪噛みなどの行動が起こると考えられている。 性欲はいつから始まるか フロイトに限ることでなく、発達において「 性的な欲望」は生まれた時から備わっていると考えられている。 赤ん坊にとって、食欲や睡眠側欲と同時に、排尿や排便の欲望ももちろんある。 そして、オムツを代える時などにおしっこが頻繁するのは冷気にふれて体が震えることもあるが、窮屈なオムツから開放されて気持ちが良いのであろう。 この気持ちよさはまさしく大人の射精に通ずるものがある。 しかし、男性の勃起や射精のように魅力的な身体を見て興奮したりするのはまだ先であろう。 1~3歳になると男性器を触ることが多いが、気持ちがいいことや、これはなんだろう?と思っているのもあるので、むやみやたらに触らせまいとするより、微笑んで受け入れてあげたほうがいいだろう。 女の子が女性器を気にする場合は排泄物がきちんと拭けておらず痒くなっている場合もあるので注意である。 自分の娘、あるいは息子が性的な興奮をもった時の対応についても日本はかなり遅れている。 中学生や高校生が正しい性の知識を持たないままに行為に及び、妊娠してしまう事例も多くある。 それを、若いのにそんな行為を!と叱るべきではなく、反省すべきは正しい知識と行為の意味を教えなかった大人である。 日本の性教育は「 女性の性器は~男性の射精は~」という的外れな学習が多い。 性に対して奥ゆかしい気持ちを持つことも大切であるが、人を好きになること、性行為を行うこと、子どもを作ることは決して悪いことではなく、ただ責任を伴うことから大切にするべきである、と教えていくことが必要ではないだろうか。 まとめ フロイトによると性欲は生まれた直後から持っているものであり、それは成人を過ぎ、死ぬまで持ち合わせていると考えている。 食欲・睡眠欲・性欲という三大欲の中でも一番強い欲は 性欲であり、性的な欲望を抑えることは自尊心の発達にも多大な影響を与えると考えている。 いささか日本では過激ではないかと思われるが、彼は今尚心理学の世界において第一人者のまま数多くの学者に尊敬されており、フロイトの流れを汲んだ研究は現在も続けられている。 彼の性に関する考えは、決して的外れではなく、むしろ現代の我々がしっかりと知っておくべき事柄であろう。 関連記事: カテゴリー• 109• 356• 353• 1,411• 149• 807• 589• 169• 100• 177• 142• 134• 106• 560•

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肛門期

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エリクソンの心理社会的発達理論とは エリクソンの心理社会的発達理論とは、アメリカ合衆国の心理学者エリクソン,E.H.が提唱した、発達に関する理論です。 エリクソンは、フロイト,S.が提唱した心理性的発達理論を拡張して心理社会的発達理論を提唱しました。 心理性的発達理論では、人の出生から思春期までの発達を対象とし、自我の発達を性的または生物学的な側面を重視されていました。 しかし、エリクソンは、人の発達が加齢に伴う生物学的な成熟や衰退だけでなく、出生から死まで生涯にわたるものであり、社会との相互作用によって進むと考えました。 そして、発達における社会的な側面を重視し、心理社会的発達理論を提唱しました。 MEMO 心理性的発達理論:人の行動の基盤に性的欲求(リビドー)を想定し、発達に伴って性的欲求が充足される身体の部位が変化し、それに応じた人格が形成されると考える理論 心理社会的発達理論の特徴 心理社会的発達理論では、人が「生涯を通して発達する存在」であるという生涯発達の視点を前提として、人の発達は、あらかじめ予定された発達段階に沿って進み、各機能の発達には臨界期が存在すると説明されます 生物学的漸成説。 そして、発達の各段階には発達課題があり、それがポジティブに解決されるかネガティブに解決されるかによって人格が影響を受け、ポジティブに解決できれば「自分は自分である」ということを自分と他人が認識できる状態が得られるとされています 同一化。 各発達段階では、成長に向かうためのポジティブな力と退行に向かうネガティブな力がせめぎ合う状態にあり、2つの力のバランスが人の発達に影響を及ぼすとされています。 具体的には、ポジティブな力がネガティブな力を上回って発達課題が解決されることにより、社会に適応できる健康的な発達を遂げ、社会内でより良く生きる力(人格的活力)が獲得されると考えられています。 ただし、ポジティブな力とネガティブな力がせめぎ合う状態は生涯を通して続くものであり、各段階でポジティブな力がネガティブな力を上回る経験を積み重ねることが大切なのであって、ネガティブな力が一時的にポジティブな力を上回っても人生が台無しになることはありません。 一方で、ポジティブな力が一時的にネガティブな力を上回ったとしても、その後、ネガティブな力に押しつぶされて社会生活に支障が及ぶ可能性もあります。 エリクソンの発達段階 エリクソンは、心理社会的発達理論において人の発達を8つの段階に区分し、各段階に発達課題と課題がポジティブに解決された場合に獲得されるものを設定しました。 乳児期 出生~2歳 :基本的信頼vs不信 乳児期の発達課題と危機は「基本的信頼と不信」であり、この2つがポジティブな力とネガティブな力として拮抗していると考えられます。 この時期の赤ちゃんは、養育者から母乳やミルクをもらい、オムツを交換してもらい、気分が悪いとあやしてもらうなど、生活全般を養育者にお世話してもらわないと生きていくことができません。 そして、養育者から適切かつ親密に養育され、愛情や甘えを受容してもらう経験を積み重ねることにより、外界に対する安心や安全、養育者への信頼を抱き、基本的信頼感が育まれます。 基本的信頼感とは、他人から自分のありのままを受け入れてもらうことができるという「他人への信頼感」と、自分は他人から大切にされる価値のある存在であるという「自分への信頼感」のことです。 基本的信頼感は、人が発達の過程で自分と他人を信頼し、情緒的かつ継続的な人間関係を構築する土台となる感覚であり、乳児期のうちに十分に育まれなかった場合、その後の発達の中で自分や他人への不信感を抱くようになります。 ただし、心理社会的発達理論では、信頼感だけを持てば良いのではなく、欲求が満たされない状態に置かれて不信感を経験しておくことも大切だと考えられています。 養育者が赤ちゃんの欲求を全て満たしてあげたいと思っても、全ての欲求を満たすことは実現困難ですし、社会においても欲求が全て満たされることはまずありません。 そのため、欲求が満たされないことで生じる不信感も経験しながら、養育者から欲求を満たしてもらう経験によって不信感を上回る信頼感を持つことが大切であり、それによって「希望」というより良く生きるための力が獲得されると考えられています。 幼児期前期 2~4歳 :自律性vs恥と疑惑 幼児期前期の発達課題と危機は「自律性vs恥と疑惑」です。 この時期の子どもは、「言葉の爆発期」を迎えて言語能力が急激に向上し、言葉を使った会話などのやりとりが増加します。 子どもに自我が芽生え、「何でも自分でやる。 」と主張して実際に行動するようになり、養育者のしつけに耳を貸さなくなったり、口答えしたりすることも急増します。 こうした変化により、養育者から赤ちゃんや子どもへの一方的なやりとりが多かった乳児期とは一変し、養育者と子どもの双方向のやりとりが増えていきます。 しかし、この時期の子どもは、「自分でやりたい。 」と思っても上手にできずに失敗することが多く、養育者から叱られて恥ずかしさや自分への疑惑を抱いたりします。 こうした「自分でやりたい」というポジティブな力と、「失敗するかもしれない。 」というネガティブな力がせめぎ合った状態で、葛藤しながら行動を起こして成功する経験を積み重ねることで、自律性が身につき、自主性につながる「意思」が獲得されると考えられています。 例えば、この時期の子どもはトイレットトレーニングを受けます。 トイレで排泄できれば自信を持ち、失敗すると恥ずかしさや自分に対する疑惑を抱きますが、そうした成功と失敗を繰り返し、成功が失敗を上回ることで自律性が備わっていきます。 しかし、養育者の過剰な干渉や叱責を日常的に受けていると、自発的に行動しようという意欲や自信が持てなくなり、恥や疑惑ばかりを感じるようになります。 そのため、養育者としては、子どもの自発的な行動を見守り、成功すれば大いに褒め、失敗すれば最低限の注意をして、成功へのアドバイスをする姿勢が大切です。 幼児期後期 4~6歳 :自主性vs罪悪感 幼児期後期の発達課題と危機は、「自主性vs罪悪感」です。 この時期の子どもは、自分で考えて行動する自主性が見られるようになり、周囲に対して自ら働きかけるようになります。 言語能力も運動能力も発達し、対大人と対子どものいずれでも会話による意思疎通が円滑に行えるようになり、子どもだけでルールを作ったり、大人の真似事をしたりして遊ぶことができます。 しかし、自主的に行動して周囲に働きかけていくことは、同年代の子どもとの競争や衝突を生じさせます。 そして、自主的に行動して失敗し、大人から注意や叱責を受けるこにより、失敗して周囲の失望や叱責を招くのではないかという感覚(罪悪感)を抱くようになります。 自主性が過剰に発揮された結果、力づくで人や物を取ったり、愛想を振りまいて人や物を得ようとしたりして他人の反感を招き、罪悪感を抱くこともあります。 そのため、自主的に行動して失敗する経験をしながら、それを上回るだけの成功経験を積み重ねることににより、罪悪感よりも自主性が強くなり、「目的を持つこと」が獲得されると考えられています。 一方で、養育者を含む大人から叱責や注意されてばかりの子どもや、他の子どもと比較されてばかりの子どもは、罪悪感を募らせて自信を失い、自主的な行動を抑制してしまいます。 学童期 6~12歳 :勤勉性vs劣等感 学童期の発達課題と危機は「勤勉性vs劣等感」です。 学童期は、小学校入学から卒業までの時期であり、主な生活空間が家庭から学校へ移り、教師や同年代の子供など家族以外と過ごす時間が大幅に増える時期です。 この時期の子どもは、学校という空間で同年代の子どもと過ごす中で互いに興味関心を抱き、一緒に行動するようになります。 幼児期後期までとは比較できないほど多くの知識やスキルを学習することになり、自分の能力が成績という形で評価される機会も増加します。 子どもは、同年代の子どもと関わり、彼らと比較・評価される状況の中で、自分の得意なことと不得意なことを理解し、努力や工夫によって自分の目的を達成しようとします。 当然ながら、努力しても工夫しても結果が出ず、悔しさを感じたり自信を無くしたりすることもあります。 そうしたときに、周囲から励ましや労いを受けることで「やればできる。 」という有能感 自己効力感 が育まれますが、認められなかったり否定されたりする経験が続くと「やっても意味がない。 」という劣等感を抱くことになります。 学童期には、劣等感を抱きながらもそれを上回る勤勉性の経験を積み重ねることで、「自己効力感」が獲得されます。 青年期 12~22歳 :同一性vs同一性拡散 青年期の発達課題と危機は「同一性vs同一性拡散」です。 青年期とは、第2次性徴による身体の急激な変化 性的成熟 、異性への関心の高まり、性的欲求の衝動などが起こるとともに、自我意識の高まりや内省的傾向などの心理的変化も著しい時期です。 また、心身の急激な変化に戸惑いながら、学童期よりも多種多様な同年代集団の中で生活することになり、他人と自分を比較して劣等感を感じたり、周囲からの評価に落ち込んだりする機会も多くなります。 こうした状況下で、「自分とは何か。 」、「自分らしさとは何か。 」というアイデンティティの問題と直面します。 発達心理学では、「自分とは何者か」という自己定義や、自分が社会の中で何を為し、どのように生きるかという自覚や存在意識という意味でアイデンティティという単語が使用されます。 引用:psycho-lo そして、家庭、学校、部活、塾など所属する複数の集団の中で異なる自分の役割を担い、多種多様な人と関わる中で、理想とする人の言動や考え方を真似したり 同一化 、彼らの欠点に気づいたりしながら、「自分とは何か。 」に対する自分なりの答えを見つけ出します。 ひとまずアイデンティティ 自己同一性 が確立され、自分が納得できる「ユニークな自分」や「自分らしい生き方」を獲得するのです。 アイデンティティの確立に至るまでには、所属する集団やその中の人間関係において自分の居場所を確保しつつ、これまでの自分を肯定できず、自分が何者で何をしたいか分からず、自分が自分であることも実感できない悩みを抱えて苦しみます。 アイデンティティ 自己同一性 拡散の状態です。 誰しも一度はアイデンティティの拡散を経験してもだえ苦しみます。 そして、長い期間をかけて少しずつ自分のアイデンティティを見いだして、所属する社会への「忠誠性」を獲得していきます。 エリクソンは、青年期における発達課題の克服が他の時期よりも複雑かつ困難であるとして、青年期の子どもがアイデンティティを確立させるためには、社会的な責任や義務を果たすことが猶予される期間 モラトリアム が必要だと考えました。 MEMOモラトリアム:青年期の子どもがアイデンティティを確立させるために、社会的な義務や責任の負担を猶予することが社会的に許された期間 成人期 22~40歳 :親密性vs孤独 成人期の発達課題と危機は「親密性vs孤独」です。 青年期を通して身体的に大人になり、「ユニークな自分」を自覚して精神的にも成熟した後は、社会に出て社会的な義務や責任を担うことを求められます。 成人期は、勤務先など自分が所属する社会の中で義務や責任を担い、友人や恋人と親密な関係を築く時期とされ、親密性の獲得が発達課題となっています。 親密性の獲得には、自分自身の価値観や考えを自覚し、異なる価値観や考えを持つ他人と互いに受容しあう必要があるため、青年期にアイデンティティが確立されていなければなりません。 人間関係をうまく築けず自信をなくしたり、自分の価値観や考えが揺らいだりする経験をして孤独感を抱くことも多く、親密性の獲得は一筋縄ではいきません。 こうした状況下で、自分自身を信頼し、その価値観や考えに自信を持って他人と関わり、互いを理解し合うことで他人との信頼や愛情が育まれ、孤独感を上回る親密性を得て「愛 幸福感 」が獲得されます。 そして、親密な関係性になった異性と結婚して家庭を築き、子どもを儲けて、親としての義務や責任も果たしていくことになります。 ただし、親密性を十分に獲得できないまま「親密な関係性になったと勘違いして」結婚すると、結婚後に夫婦間で情緒的かつ対等な関係が築けず、最終的に離婚してしまうことがあります。 壮年期、成人期後期 40~64歳 :世代性vs停滞性 壮年期の発達課題と危機は「世代性vs停滞性」です。 壮年期は、所属する社会で中心的存在として義務や責任を担い、知識と経験を蓄積して社会的地位も向上させ、家庭でも家事育児の経験を積み重ねた成人期を過ぎて、公私ともに変化が減って落ち着いていく時期です。 例えば、会社では自ら前面に出て活動するよりも、後進の育成や管理業務に従事することが多くなり、家庭では子育てが佳境を迎えて、子どもの巣立ちを見送ることになります。 つまり、これまでの人生で得た知識や経験を次世代の若者に伝達し、新しいものを生成することによって、自分自身も成長していく時期だと考えられているのです。 この時期の発達課題である世代性 Generativity とは、「知識や経験を継承し、新しいものを生成することで、次世代を支えるものを生み育んで関心を抱く」という意味を持つ、エリクソンの造語です。 Generativityは、エリクソンがgenerate(生み出す)とgeneration(世代)を合わせて作った造語であり、世代性以外には「生成継承性」とも訳されます。 次世代が求められたものを自ら積極的に伝達・付与し、新しい物を生み出していくことにより、さらに次世代を含む他人から求められるという好循環が生まれることにより、世代性が獲得されていきます。 しかし、次世代への関心が薄く、関わりも乏しく、求められても自身の知識や経験を伝えようとせず、関心が自分の欲求や満足に向いてしまうと、停滞に陥ります。 停滞に陥ると、世代性によって生じる好循環とは対照的に、求められても与えない、与えられないから求められなくなるという悪循環が生じます。 壮年期には、自己満足や自己陶酔から脱却し、次世代を育てることに目を向けて、自身の知識や経験を伝達、付与することで世代性を生じさせることにより、「世話」が獲得されると考えられています。 老年期 65歳以降 :自己統合vs絶望 老年期の発達課題と危機は「自己統合vs絶望」です。 退職して子育ても終え、老いと付き合いながら死に至るまで過ごす時期です。 身体的な衰えというネガティブな側面が注目されがちですが、エリクソンは、知識や経験などは発達を続けるという生涯発達の立場をとっています。 そして、自分自身の人生を振り返って肯定的に受け止められること 自己統合 を老年期の発達課題とし、自己統合ができず死の受容ができないと絶望という危機を招くと考えました。 老年期には、誰しも少なからず絶望を抱きますが、絶望を抱えながら人生を振り返って肯定的に受け止め、肯定的な受け止めが絶望を上回ることで自己統合がなされます。 公認心理師試験の出題歴 エリクソンの発達理論は、第1回公認心理師試験に出題されました(正答は 赤字)。 問15 E. Eriksonのライフサイクル論について、最も適切なものを1つ選べ。

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