教育 さん。 第30回全国産業教育フェア大分大会

三重県|小中学校教育・幼稚園教育:新版 みえこさんのにほんご

教育 さん

無料の勉強動画で教育格差を埋めたい 動画投稿サイト「YouTube」で勉強をテーマにした動画を投稿し、「教育YouTuber」として活動していますが、勉強動画を配信するようになったきっかけを教えてください。 もともと個別指導塾の講師として働いていたんです。 僕は学生のころ塾に通ったことがなく、塾講師になって知ったことは、ものすごく月謝が高い。 さらに冬期講習や夏期講習、講習会を受けるためには何十万円も払わなくてはなりません。 塾で勉強したくても通えない子どもをたくさん目にしてきました。 家庭の所得格差があるのは仕方のないことですが、子どもが学ぶ場所を選べず、教育機会の差に繋がるのをなんとかしたいと思ったことがきっかけです。 2012年に塾講師を辞め、独立したときに「YouTube」に目を付けました。 これなら、子どもたちが好きな時間に、好きなだけ見ることができる、と思ったんです。 そして、思い立った翌日に「とある男が授業をしてみた」というチャンネルをつくり動画を投稿しました。 それから7年間、小学生から中学・高校生向けまで、教科書に沿って国語・数学・理科・英語・社会の5科目の授業を中心に投稿しています。 YouTuberは子どもにも人気の職業です。 どんなお仕事なんですか? いまは15分程度の勉強動画を投稿して、その広告収入を得て生活をしています。 YouTuberは、「ラクして稼いでいる」と思われがちですが、そんなことはありません。 とくにエンタメ系のYouTuberは、毎日ネタ帳を持って、常に企画のテーマを探している人も。 5分の動画を作るのに、テロップを入れたり、音をつけたりして丸2日かけて編集したりする。 すごく大変です。 それに比べて僕は動画編集作業が少ないので、まだマシかもしれません。 それでも、準備をして投稿するまでに2~4時間ほどかかります。 まずは問題集を解き、板書案をノートにまとめて、動画で話す台本を組み立て、ホワイトボードに清書します。 収録中に間違えたら撮り直しをすることもあります。 15分以内の動画ですが、「分かりやすさ」を意識して、丁寧に作り込んでいます。 教育YouTuberの第一人者として、大変だったこともあるのではないでしょうか。 そうですね。 最初に動画を投稿した2012年は、YouTubeが盛り上がる前でしたし、YouTuberという言葉さえありませんでした。 今でこそ、国立大卒などの高学歴で有名なYouTuberの方々が勉強している動画を投稿したりしていますが、その頃はまだ、「YouTubeで勉強なんてありえない!」という時代でした。 そういう背景もあって、YouTuberになった1年目が一番叩かれました。 「教職に関わっている」という方から「偽善者だ」という内容のコメントが届いたりとか。 でも、2、3年後には、このような無料で自由に勉強できる勉強動画などが必ず必要になるという確信があったので投稿し続けました。 それに、子どもたちから「分かりやすかった」「点数が上がりました」というコメントも届くようになって、それが大きな支えになりましたね。 仕事にはやりたくないこともある。 そこから何を学ぶかは自分次第 教育の仕事に関わりはじめたのはなぜですか? 教育に関わる仕事をしようと思ったのは、高校時代の恩師のおかげです。 それまでずっと教師を信用できず、大嫌いだったのに、心の底から信頼できる先生に出会って変わりました。 鬼のように怖い数学の先生でしたが、本心から自分のことを考えてくれているというのが分かったんです。 板書がきれいで分かりやすい授業だったので、苦手な数学が高校卒業時には一番得意になりました。 YouTubeの授業はその恩師が目標なんです。 ただ、ストレートに教師を目指したわけではありません。 教育に関わる以上、自分自身が一度社会に出る必要があると考えたからです。 そうでないと、子どもたちに「社会に出たらこうなんだよ」なんて話せませんからね。 そこで、就職するなら一番キツイ仕事がしたいと、新卒で教材販売会社に入社しました。 家を一軒一軒まわって教材を売り込む仕事でしたが、嫌がられたり怒られたり。 毎日のように鍛えられました。 営業の仕事でYouTuberに結びついていることは? たくさんあります。 先輩から、相手に伝わりやすい喋り方や声のトーン、目線の送り方、セールストークなどを教えてもらいました。 それは、分かりやすく理解しやすい動画作りに活かせています。 持病が悪化したことで10カ月ほどしか働けませんでしたが、一度社会に出て経験したことは、自分にとって本当に価値のあることでした。 いまの仕事に投影されているのも大きいですよね。 仕事って、始めのころはやりたい仕事ばかりではありません。 希望の仕事に就職していたとしても、その仕事内容が求めていたこととは限りません。 でも、やりたいことだろうが、やりたくないことだろうが、そこから何を学ぶかは自分次第だと思うんです。 営業は大変な仕事でしたし、成績は微妙でした。 一生分怒られたと思うほど、キツい日もありました。 それでも、いろいろなスキルが身についたり、伝えたいことを相手に届けるノウハウを学べたことは良かったと思っています。 教育を通して子どもたちの笑顔を増やしたい 今後の展望を教えてください。 これまで日本の教育は、公教育と塾や家庭教師など外部のサポートの2本の柱で成り立ってきました。 そこに3本目となるYouTubeの勉強動画といった自由に無料で勉強できる「フリーラーニング」の柱を立て、それが当たり前になる世の中を目指しています。 たとえば、学校で子どもたちが、「どこの塾に行ってるの?」と同じ感覚で、「数学の授業、誰の動画見てるの?」という会話が普通になってほしい。 YouTubeでの学習が学びの選択肢のひとつになるのが目標です。 そのためには、勉強動画の本数を増やすことだけが解決策ではないと思います。 次のステップは、子どもだけでなく、学校や教育者、保護者層などにも、YouTubeの授業を認知してもらうことですね。 そんな葉一さんの「はたらいて、笑おう。 」とは? 教育で子どもたちを笑顔にすることです。 教育YouTuberとしての仕事は、「教育で子供たちに笑顔を」がテーマなんです。 ネット越しではありますが、子どもたちの笑顔を感じることがあります。 「テストの点数が上がりました!」とメールをしてくる子は、きっと笑っていますよね。 コメントの先に子どもたちの笑顔があるんです。 それを見て、自分も笑顔になれます。 だからこそ、7年間も続けてこられましたし、これからも教育に関わっていく揺るぎない自信になっています。 子どもたちの笑顔を増やしていくことが、自分にとって何より大事なことですね。

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話を伺った人 平川理恵さん 広島県教育長 (ひらかわ・りえ)リクルート社勤務後、1999年に留学支援のベンチャー企業を起業。 2010年4月から8年間、二つの横浜市立中学で校長を務めた。 18年春から現職。 県立学校では、すべての生徒がグーグルの学習支援サービス「G Suite for Education」のアカウントを取得し、何らかの形でICTを活用してオンラインで対応しています。 ただ、取り組み方は学校によってさまざまです。 1日5時間、授業をしているところもあれば、朝の健康状態の確認はオンラインで顔を見てするけれど学習面は課題を伝えるだけというところもあります。 学校の状況に合わせて活用している感じです。 朝からホームルームがあり、1時間目、2時間目と時間割があるというのは、生活のリズムや勉強のペースという点で良いようです。 ずっとオンラインでつながっていなくても構わない。 課題の提出とかチャットでのやりとりとか、学校やクラスの人たちとつながっていて、同じ時間に同じ教科の勉強をしている、というだけでも違う。 生徒たちとつながる方法の一つとして使うということでも良いと思います。 教室ではあまり話さない子が、チャットでは意外とたくさん書いてくるということも起きています。 今の子たちは、書くことに慣れているというのもあるかもしれません。 もともと、新型コロナとは関係なく、今年度から県立高校81校中35校の1年生はBYOD(個人保有の端末の持ち込み。 この場合は「保護者負担でのパソコン購入」)でのパソコン配備に向け、昨年度から計画を進めていました。 この4月には学校教育情報化推進課を新設して、現在、指導主事ら18人が配置されています。 その準備で、指導主事がG Suiteの研修を受けていたことは大きかったですね。 3月2日から全校休業になり、4月からどうすれば良いかを考えていました。 新年度になり、入学式や始業式の後、しばらく学校に通えるようになったところで、すぐに全県立校でアンケートをし、そうしたデバイスや通信環境が整っていない子どもが約1割ずついることが分かりました。 そうした子どもに対しては、端末やポケットWiFiなどを貸せるように、臨時議会で約8億8千万円の補正予算が決まりました。 でも、買いたくても今は市中にモノがない。 少量ずつでも早く入手するように職員が頑張っています。 それから、端末を持っている子も、ずっとつなぎっぱなしにしたり、動画を見たりすると、通信容量のギガ数が足りなくなるケースが多いんですよ。 親も家でテレワークをしていたりして、通信を使っていますから。 広島県の県立校は4月16日から再び全校休業となりましたが、その後もどのくらいの発信なら容量の面で問題が起きないのか、先生たちが試行錯誤しています。 5月末が近づくにつれて、容量が足りなくなることも起きてくるでしょう。 各学校に大容量WiFiを複数台、配布しておき、生徒が端末を持って学校に来ればつなげられるようにします。 デバイスがない、通信環境が整っていないという子どもが1割ちょっといますから、「公平性に問題がある」という意見はあります。 そういう子どものために、貸し出し用のデバイスを大急ぎで調達していますが、すぐには行き渡らない。 だからといって、オンラインでの対応をやめようという判断はしません。 まずは「学びを止めない」ということを考えようということです。 例えば、40人のクラスで、操作も自分でできる子が15人、操作などにちょこっとケアが必要な子が15人、デバイスや通信環境がなくてスペシャルなケアが要る子が10人だとしたら、それぞれに適した対応をすれば良い。 ある意味での合理的配慮として一人ひとりに適した方法を考えるしかないと思います。 それと、端末を持っていない子どもの中には、金銭面とか食事とか、ほかの面で助けが必要なケースがある。 そういう場合は、学校が休業中でも学校のパソコンルームを使わせるという対応も考えられる。 5月18日から自主的な分散登校を始めることにしましたから、そういう子は多めに登校するということもありかもしれない。 広島県は去年からSSR(スペシャル・サポート・ルーム)を不登校ぎみの子ども向けにつくっています。 コロナ時代のSSRとして活用し、個別最適な対応を考えることもできるでしょう。 ほかに、企業のクラウドサービスを使うという点では、個人情報とかセキュリティーとか、いろいろと意見や疑問の声はありました。 ただ、私も調べてみたのですが、資金の投入の状況や他国での使われ方、セキュリティーの姿勢、無料で無制限といった点で、G Suiteの活用は良い選択だと判断しました。 もちろん、国がもっと良いシステムを作ってくれるなら別ですが、それを待っていられないし、膨大な費用もかかるから無理だろうと思います。 使える手段を検討し、やろうという判断をしました。 一方で、もちろんオンラインでの教育に向かない子どもがいること、オンライン教育で全てができるわけではないことも忘れてはいけないと思っています。 多くはアカウントを子どもたちに配布している段階です。 県内の自治体に対しては、「県教委はICTを活用したオンラインでの対応を進めていきますが一緒にやりませんか?」という投げかけはしています。 最終的には市町の首長や教育長によって判断はさまざまだと思いますが、「学びを止めない」というのはすべての子どもに対して必要ですよね。 オンラインの対応のように、分からないことは怖いし、リスクもあるけれど、「いまやらないと」と私は思います。 保護者が声を出せば市町も動きますし、対応しないことがリスクになっていくでしょう。 本来は、国で網羅的に進めてほしい。 GIGAスクール構想は良いですが、スピードを考えると、できる範囲で自治体が動いていくことですね。 県教委は市町教委の相談に乗り、助言もしています。 先生たちはゴールデンウィーク中も、G SuiteやZoomなどについて、一生懸命、勉強していました。 日本の教師は真面目ですから、使いこなしていくと期待しています。 東京の私立高校に通う友人の子どもは、先生から送られてきた動画を1. 5倍速で見ているそうです。 その子は通常の速度だとつまらないんでしょうね。 これからの時代、先生は50分の授業を5分の動画で説明することもできなくてはならなくなるでしょう。 また、英語のスピーチをする、ダンスのビデオを作る、論文を書く、といった「パフォーマンス課題」を出すときに、どういう観点で評価するのか、ルーブリック(目標達成度を評価するための基準を表にしたもの)を事前に明らかにする必要もあります。 授業の動画コンテンツを作るのは大事だけれど、ほかの人が作ったものを活用すれば済む部分も多い。 先生の役割は、生徒に対して本質的な問いをきちんと出し、授業の主題に対して探究的に取り組む姿勢を育成し、一人ひとりの学びに向かう力を支えたり刺激したりするようにファシリテートする、ということになっていくと思います。 人との距離感や社会性の育成は、オンラインだけでは限界があります。 話し合いや協働学習など、学校で顔を合わせることでしかできない授業をどう進めるか。 それも先生の力量になります。 県立広島叡智学園中学校を訪れる。 今後については? 学校の役割は変わっていくはず。 これまでは、教室へ行って、他の人と同じ時間に勉強することで学びが完結していた。 だから、不登校の子は学校での学びには参加できなかったけれど、オンラインにシフトしていけば、登校しない子どもだって学べる。 先ほど挙げましたが、「学びを止めるな」と「合理的配慮」という二つの観点が、これからの学校には必要だと思っています。 「アフターコロナ」は、子どもが中心の学びになっていけば良いと思っています。 ある時は家でオンライン授業を受け、ある時は町に出て職場体験、ある時は地域でスポーツや習い事。 そういう中で自分が何者かということを考え、自己認識と自己表現をしたうえで、社会へ出ていくというイメージです。 今はトランジション(移行)の時。 そうやってポジティブにとらえていきたいと思います。

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目次:• 子どもに「社会」を語るために —今日はありがとうございます。 さっそくですが、葉一さんがYouTuberになられた経緯を教えていただけますか。 僕は高校を卒業後、東京学芸大学に進学しました。 そこで教員免許を取得したのですが、すぐには教員になりませんでした。 それなのに子ども達に「社会に出て頑張れよ」と言っていいのか?と不安に思いました。 そこで、いったん社会人を経験することにしたんです。 どうせ社会で修行するなら一番きつい仕事をしようと思いました。 NPO仲間に聞いてみたら「飛び込みの営業が一番きつい」と。 それで営業の仕事に就いたのですが、持病が悪化してしまい辞めざるを得ませんでした。 このときに得たトークスキルは今でも動画に役立っているので、やってよかったです。 その後、塾講師に転職し、なんやかんやあって独立して、気付いたらYouTuberになった……簡単にまとめるとこんな感じですね。 偏差値を20上げて学芸大へ。 人生を決めた恩師の存在 —なんだかストイックな経歴ですね。 そもそも、どうして学校の先生を目指されたのですか? 高校時代の恩師の影響です。 その先生は数学の先生だったのですが、新学期の自己紹介で開口一番 「俺はお前らに好かれる気なんかねーから」って言い放ったんですよ(笑)。 「とんでもない先生に当たった」と思ったのですが、いざ授業を受けてみるとめちゃくちゃ分かりやすくて。 字もきれいで、「板書は一枚の作品にならなきゃいけない」というポリシーのもと、すごく見やすく作られていたんです。 ファーストインパクトこそ強烈でしたが、普段の指導でも飾ることなく接してくれる先生を徐々に好きになっていきました。 叱るときは叱り、褒めるときは本気で褒めてくれる。 「この人は言葉を飾らずに接してくれるんだ」と。 それまで教師は大っ嫌いだったけど、その先生だけは「先生が右と言えば僕も右」。 こんなに人を変えられる教師の仕事って面白いなと思い、自分も目指すようになりました。 —それで学芸大学へ進学されたんですね。 実家はお金がなかったので、実家から通える国公立の大学しか選べませんでした。 当時の学力では東京学芸大なんて全然無理だったのですが、先生が「お前は学芸大に行け」と。 死に物狂いで勉強し、偏差値を20も上げてなんとか合格できました。 —「この人のために頑張りたい!」と思わせる先生だったのですね。 すごい影響力です。 YouTuberになった今も恩師の影響は大きいです。 とくに 「嘘をつかない」ポリシーは守り続けていますね。 子どもって嘘に敏感で、飾った思いを語ってもすぐに気づいちゃう。 だから子ども達の相談に答える動画でも決して嘘はつかず、ありのままを答えるようにしています。 「子どもは無料、自分は稼げる」夢の収益システム —現在、チャンネル登録者数約70万人という大人気YouTuberの葉一さんですが、ここまで来るには相当なロングスパンの努力があったのではないかと思います。 正直なところ、初めは収益も出ていなかったのでは? もともと収益が目的で始めたわけではないんですよ。 収益のシステムを知ったのも一年後だったし(笑)。 最初は「葉一」の知名度を上げて、著作物や講演の依頼をいただけないかなと考えていたんです。 動画を収益化できると知ったときは 「夢のような話だな」と思いましたね。 —というのは? 実は、僕自身は塾に行ったことがなかったんです。 働いて初めて塾の月謝を知り、「こんなにかかるの!?」と驚きました。 営利企業ですし、講師の給与を支払うことも考えると仕方なくはあるのですが、どうしても費用が捻出できないご家庭があるのも事実で。 親の所得で子どもの学習環境が変わってしまう現実を思い知ったんです。 —所得格差が子どもの学力格差につながってしまう話はよく耳にします。 大きな課題ですよね。 どうにかして子どもからお金をもらわずに授業ができたらな……と考えていたので、YouTubeの収益システムは衝撃でした。 子ども達からは一銭も取らないのに、自分はお金がもらえるなんて。 もうやるしかない!(笑) 広告が入るのは鬱陶しいかなとも思ったのですが、視聴者の子達が「全然いいよ!」と言ってくれたのもあり収益化するようになりました。 今年で8年目になりますが、中には合格証明書や掲示板の写真を送ってくれる子がいて本当に嬉しいんですよ。 (葉一さんが視聴者の質問に答える動画。 お子さんもおられるため、収益に関しては本当によく聞かれるそう) —それは嬉しいですね。 全国に教え子がいる感覚というか……。 とはいえ、初めからこんなに多くの視聴者がいたわけではないですよね? ええ、最初の7ヶ月は800人くらいしか見てくれていませんでした。 広告も打っていなかったので。 —それはなぜですか? 打つお金がなかったのもあるけど、 子ども達の口コミの力を信じていたんです。 とくに女の子かな。 女の子が友達におすすめする力は絶大なんですよ。 「いい!」と思ってもらえたら絶対に広がっていく。 そう信じて、質を上げる方向に注力したんです。 YouTubeは一方通行。 疑問を残さず、点数を取らせる —では、いよいよ動画作りについてお聞きします。 ズバリ、どのようなポリシーで動画を作られていますか。 YouTubeでの授業は一方通行なので、なるべく疑問点を残さない授業を心がけています。 子どもって、「わかった?」って聞くと必ず「わかった」って答えるんですよ(笑)。 目の前にいれば本当かどうか判断できるけど、YouTubeではできない。 子どもが「ん?」と思ってもフォローしてあげられないので、徹底的に作り込んでいます。 —学校や塾でのリアルな授業と比較して、内容に差はつけていますか。 内容面に関しては、ポイントが2つあります。 1つ目は、 「雑談をしない」。 新しい内容を1回で理解できなかった場合、動画を繰り返し見てもらうことになります。 雑談をしてしまったら、何回も同じ雑談を聞くことになりますよね(笑)。 だから雑談は一切しません。 リアルな授業との大きな違いです。 2つ目は、 「概念形成をしない」。 僕の動画は、「あまり勉強が得意でない」と感じている子に向けて作っています。 賛否両論あるとは思いますが、仕組みに興味を持つのは結果が出たあとでもいいんです。 調べてもらえば、概念を分かりやすく説明している動画はたくさん見つかりますし。 YouTubeでは「欲張らない」が重要です。 概念形成は他のYouTuberさんにお任せして、僕はシンプルに解法を伝える。 そう住み分けています。 —「欲張らない」話が出ましたが、動画のスタイルもかなりベーシックですよね。 凝ったテロップや効果音がなくて。 そうなんです。 やろうと思えば、凝った編集もできるでしょう。 立方体をホワーンと浮かべるとかね。 あえてやらないのは、親御さんや学校から拒否感を持たれないため。 いろいろな現場に抵抗なく導入してもらえるよう、シンプルなつくりにしています。 結婚指輪も外す!子どもの集中力を削がない工夫 —葉一さんは小学生向けから高校生向けまでの内容を幅広くカバーされていますね。 年齢に応じて、話し方をどう変えていますか? 話すスピードを変えています。 小学生向けの動画では比較的ゆっくり話すのですが、受験生や高校生向けでは意識して早口にします。 YouTubeには再生速度を変える機能がありますが、あまり浸透していないので。 速めに話して、分からないなと思ったら戻って見返してもらう想定ですね。 —ビジュアル面(服装など)で気をつけていることは? 服装も派手な色は避け、ユニクロの地味な服ばかり着ています。 とはいえ、毎回同じだと飽きてしまうので、ときどき派手なカラーで登場して「あれ?」と思わせたり、工夫しています。 なるべく子ども達の注意を奪わないよう、 途中から結婚指輪も外しました。 —結婚指輪まで!?徹底されていますね。 普段から夫婦ともに外しているので大丈夫です(笑)。 指輪が画面に映るとどうしても一瞬意識を奪われるんですよ。 邪魔になっちゃうので、外すようになりましたね。 板書は「万人受けするオリジナルフォント」で —葉一さんの動画を見ていると、板書の完成度が高いなと感じます。 恩師は「とにかく板書がきれい」だったそうですが、ご自身はどのような工夫をされていますか。 動画をクリックして初めに目に入るのが板書なので「頑張るぞ!」と思わせるよう心がけています。 とくにこだわっているのはフォント。 僕は普段、男性的で角ばった字を書くのですが、女の子の気持ちが離れるんです。 かといって丸文字にすると、男の子や親御さんの気持ちが離れちゃう。 ちょうど良いフォントを塾講師時代に研究して、今もそのフォントで書き続けています。 水平にも気を使っていて、定規で測って書いています。 2mmズレたら書き直します。 ぜひ動画を見てみてください。 ばっちりラインが揃っていると思いますよ。 (中1のテスト対策動画。 文字の水平が揃っているだけでなく、図形もキレイに書かれている) —専用のフォントまで作られているとは……。 板書を一枚で仕上げる(消したり書いたりしない)のもこだわりですか? 何も消さないのは重要ですね。 というのも、僕の動画を通しで見る子はそう多くありません。 再生して、問題を解いたら最後まで飛ばす。 そこで答えが間違っていたら、戻って解説の部分を見る。 必要なところだけ行ったり来たりするんです。 だから、 最後まで飛ばしたときに板書がしっかり完成していて、答えが見えるのが大事なんです。 —YouTubeという空間を効果的に使えるよう、試行錯誤されているのですね。 NHKの影響は絶大。 色々な人が「手のひら返し」 —葉一さんは先日、テレビ出演されたそうですね。 反響はいかがでしたか。 (NHKニュース おはよう日本のページ。 出演後は知名度と信頼度が一気に上がったそう) NHKの影響は絶大でしたね。 朝ドラの直前枠だったのもあり、多くの方に見ていただいたようです。 それはもう、手のひらを返す方がいーっぱいいました(笑)。 —手のひらを(笑)。 具体的には? まずは、親御さん。 これまでスマホ=遊びと決め付けていたのが、テレビに取り上げられたことで「頑張りなさい」と言い始めたと。 そんな変化を耳にしました。 それから、管理職の先生。 先生の中にもネット世代が出てきているので、僕を講演に呼んでくれる学校があるんです。 でも、管理職の先生はよく思っていない。 控え室で待っていたら、それはもう斜に構えた態度で……。 物理的にもナナメに座るんですよ!(笑) —呼ばれて行ってるのに、ナナメに座られるんですか!? でも、これが世の中のリアルな声かなと。 ちょっとずつ変えていくしかないですよね。 面と向かって話せるだけマシだと思います。 YouTubeのコメントは「死ね!」が挨拶代わりですから。 —うーん。 やはり心ないことも言われるんですね。 いっぱい言われますよ。 「教育を汚すな」とかね。 YouTubeって、どうしてもエンタメの印象が強いでしょう。 YouTuberは「変なことをしてお金を稼いでいる奴ら」のイメージ。 そんな奴が教育なんかするべきではないと言われます。 ただ、7年間で時代が変わってきたのも感じます。 少しずつ「YouTubeで勉強」への偏見がなくなってきた。 とくに子ども達はフラットに受け入れている印象です。 学校・塾・YouTubeの三本柱で支えたい —葉一さんは、これからの学びを「学校・塾・YouTubeの三本柱」で支えたいとおっしゃっていますね。 葉一さんの考える、それぞれの役割について語っていただけますか。 学校は教育の要だが、今の形にこだわらなくてOK 学校は教育の要であり、なくなってはいけない存在です。 とくに集団行動や上下関係は塾やYouTubeで学ぶのが難しい。 学校以外だといきなり会社になってしまうので、重要な存在ですね。 でも裏を返すと、 学力だけが目的なら塾やYouTubeで学んだっていいと思います。 制度的な問題もあるし、軽々しく「学校に行かなくてもいいよ」とは言えません。 でも、N高のように魅力的な通信制学校も出てきているし、必ずしも今の形にこだわる必要はないと。 これからは、学校に何を求めて行くのか改めて考え、ベストな選択肢をとれると良いですね。 「点数が取りたい」ニーズに対応しているのは、間違いなく塾でしょう。 教室に行けば勉強するしかないので強制力もある。 そこが親御さんの安心につながっています。 子ども側も、良い先生と出会えれば圧倒的に伸びます。 僕が恩師と出会って偏差値を20上げたのと同じですね。 学校と違って先生を選べるのが塾の強みだと思います。 デメリットは言うまでもなく費用。 所得格差、地域格差が現れやすいのが塾かもしれません。 僕がYouTubeという新たな柱を立てようと思った理由がここです。 YouTubeは「自由」「強制力のなさ」が表裏一体 Y ouTubeの良さは、なんといっても無料なところでしょう。 無料ゆえに好きなスタイルで動画を活用できる良さもありますね。 たとえ500円でもお金がかかってしまうと、使い方が気になってくるでしょう。 実際、親御さんからよく「どうやって動画を使えばいいですか?」と聞かれるんです。 でも、なるべく型にはめないで欲しい。 その子にとってプラスになれば、どんな使い方をしても構わないので。 一方でYouTubeのデメリットは 強制力がまったくないこと。 これはどうしても避けられません。 嘆いても仕方がないので、僕は質を担保する方向に努力しています。 エンタメ動画がたくさんある中でわざわざ僕の動画を見てくれている。 それって、その子の気持ちが勉強に向いている証拠ですよね。 だったら、そのやる気を逃さない努力をする。 「勉強してよかった」と思ってもらえる動画にする。 学校や塾のように強制力がない分、クオリティに力を入れたいんです。 YouTubeを「同じ土俵」に上げていきたい —最後に、葉一さんの考えるこれからの学校について語っていただけますか。 学校はもっともっと自由でいいと思います。 すでに反転授業など新しいスタイルで学ぶ学校も出てきていますよね。 この流れが広がっていけば嬉しい。 もっと言えば、学校の中に動画視聴スペースや先生の講義を聞くスペースがあり、それぞれが好きなスタイルで学べるとか。 50分という時間の区切りをなくすとか、崩せるところは崩したい。 いつか学校教育の一部にYouTubeを混ぜることが僕の夢です。 ネット環境のない学校も多いですし、すぐには難しいかもしれませんが。 YouTubeでの学びを、学校や塾と同じ土俵に上げていければと考えています。 —ありがとうございました。 葉一(はいち)さんのYouTubeチャンネル、Webサイトはこちら葉一さんのYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」はこちら。 コエテコ [coeteco] とは コエテコは「子どものプログラミング教育」をテーマに、プログラミングスクール・教室、ロボット教室・スクールについて講座の内容を中心にわかりやすく紹介しているポータルサイトです。 住所や駅名などからお近くのスクールを探すことも可能です。 また、コエテコ編集部では、「プログラミング教育の今」をわかりやすく伝えることをミッションに独自の調査や有識者、専門家への取材を実施、インタビュー、コラム記事を配信しています。 プログラミング教育 とは 文部科学省は、プログラミング的思考を育成することを目的に『2020年に日本の小学校でプログラミング教育を必修化する』と発表しました。 プログラミング的思考とは、自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要かを論理的に考えていく力です。 日本では、人口現象や少子化が問題となる中で飛躍的に進化しているAI 人工知能 などのIT技術の活用が期待されている一方で、人間らしい感性を働かせながら、目的に応じた創造的な問題解決を行うことができる人材が社会に求められています。 将来どんな職業に就いても、普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」身につけることができる、幼児・小学生向けプログラミングスクール・ロボット教室を選択肢に考えてみてはいかがでしょうか? プログラミングスクール・教室 とは 各スクール独自の教材や、子ども向けのプログラミング教材「Scratch スクラッチ 」 というプログラミング言語学習環境などの教材を使って、パソコンやタブレットを操作して、 授業を行います。 主にプログラミング的思考やプレゼンテーション能力などを身につけていきます。 全国的に増えてきており、各スクールが授業見学や個別体験を受付しています。 ロボット教室・スクール とは 各スクールのオリジナルロボット教材を使って、楽しみながら個性や想像力を伸ばし、同時にプログラミング的思考や問題解決能力も身につけることが可能です。 教室数が増えてきているため自宅の近くの教室に通うことも可能になってきており、新しい学びの機会を得ることができます。 All Rights Reserved.

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